色彩の定量化・主観のデータ化

色彩の定量化

AIは形状や模様の特徴を把握するのは得意な反面,色の差異を識別するのはあまり得意ではありません. また,人間は二つの画像を見比べて,色彩の構成が類似しているか否かを直感的に判断することが可能ですが,これもまたAIにとってみれば難しいタスクなのです. 我々は色構成をグラフ構造で表現し,機械学習手法を適用することで,色彩の分布や相対的な位置関係を考慮した色彩構成の類似度を算出する,新たな手法を開発しました. この手法は,従来の手法では捉えきれなかった色彩構成の類似度をより精緻に評価することが可能となります.

色構成による画像検索の例

色構成による画像検索の例

主観のデータ化

これまでの画像分類は,画像に,車,イヌ,などのラベルをつけて,画像とラベルの関係を学習することで,分類を可能にしていました. しかし,この方法ではその画像の持つ「雰囲気」やそのシーンがもつ「状況」などの,ラベルで表現することが難しい分類タスクに適用することはできません. 我々はこのような曖昧で直接ラベル付けが困難な画像分類を可能にする手法を研究しています.これにより従来にはない,新しい観点の画像検索や推薦が可能になります.